シンデレラ | 本のプレビュー | Little Reading
シンデレラ

シンデレラ

シンデレラは、魔法使いのおばあさんに助けられてお城の舞踏会へ行く優しい女の子です。ガラスの靴を片方落としてきてしまいますが、王子様が国中を探して彼女を見つけ、二人はいつまでも幸せに暮らしました。

年齢
4-11


6298

著者
グリム兄弟

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1. 優しい女の子 👧

むかしむかし、あるところにシンデレラという

かわいい女の子が住んでいました。

彼女は金色の髪をしていて、

国中でいちばん優しい心を持っていました。

彼女はお父さんと一緒に大きな家に住んでいました。

お母さんは、シンデレラが赤ちゃんのときに

天国へ行ってしまったのです。

ある日、お父さんは新しい奥さんと結婚しました。

その人には二人の娘がいました。

みんなで大きな家で一緒に暮らすことになりました。

最初は、シンデレラも新しいお母さんと

二人の姉妹ができて喜びました。

愛のある家族になれたらいいなと思っていたのです。

しかし、すぐにとても悲しいことが起きました。

シンデレラのお父さんが病気で亡くなってしまったのです。

かわいそうなシンデレラは、継母(ままはは)と

義理の姉たちと取り残されてしまいました。

守ってくれるお父さんがいなくなり、

彼女の生活はすっかり変わってしまいました。

2. お掃除の毎日 🧹

継母は本性を現しました。

シンデレラにまったく優しくありませんでした。

二人の姉たちも同じように意地悪でした。

彼女たちはシンデレラを、家族としてではなく、

召使いのように扱いました。

大きな家は、寒くて寂しい場所に感じられました。

毎朝、シンデレラは早く起きました。

床を全部掃除しなければなりませんでした。

山のような汚れたお皿も洗わなければなりませんでした。

朝ご飯、昼ご飯、晩ご飯を作りました。

手が痛くなるまで服をごしごし洗いました。

仕事はいつまでも終わらないようでした。

姉たちは美しい絹のドレスを着ていました。

ピカピカの靴とかわいいリボンも持っていました。

でもシンデレラは、古くてつぎはぎだらけの服を着ていました。

暖炉の掃除で、いつも灰とすすにまみれていました。

だからみんなは彼女を「シンデレラ(灰かぶり)」と呼んだのです。

意地悪なことばかりされましたが、

シンデレラは優しい心を失いませんでした。

仕事をしながら美しい歌を歌いました。

台所のネズミたちにも優しくしました。

窓の外の鳥たちにも微笑みかけました。

彼女の心には愛が生き続けていたのです。

3. お城からの招待状 💌

ある晴れた朝、外でラッパの音が響きました。

お城の使いの者がドアをノックしました。

彼は王様の色の服を着て、

絹のリボンで結ばれた金の巻物を持っていました。

「お城からのお知らせです!」

彼は大きく立派な声で言いました。

「王子様が盛大な舞踏会を開かれます!」

使いの者は巻物を読み上げました。

「国中の若い女性はみな招待されます。

王子様はお妃(きさき)を選びたいとお考えです。

舞踏会は3日後に行われます。

一番美しいドレスを着てくるように!」

姉たちは興奮して金切り声を上げました。

部屋中を踊りまわりながら、

ハンサムな王子様と踊る自分たちを想像しました。

「一番美しいドレスを用意しなきゃ!」

と彼女たちは叫びました。「王子様はきっと、

私たちの中からお妃を選ぶはずよ!」

シンデレラの胸は希望で高鳴りました。

彼女は一度も舞踏会に行ったことがありませんでした。

きれいなドレスを着て、美しい音楽に合わせて踊れたら、

どんなに素敵でしょう!

彼女には、何千ものロウソクで輝く

お城の舞踏室が目に浮かぶようでした。

4. 夢と涙 😢

3日間、家の中は大騒ぎでした。

姉たちはサテンやレースでできた

高価なドレスを買いました。

銀のバックルのついた新しい靴も買いました。

顔に塗る特別なクリームや、

金よりも高い香水も注文しました。

シンデレラは準備の手伝いをさせられました。

姉たちの髪をおしゃれにカールさせました。

ドレスを完璧になるまでアイロンがけしました。

靴をピカピカになるまで磨きました。

その間ずっと、自分も行けることを夢見ていました。

もしかしたら、連れて行ってくれるかもしれません。

ついに、シンデレラは勇気を出して言いました。

「お母様、私も舞踏会に行っていいですか?」

一番愛らしい声で尋ねました。

姉たちは大声で笑い出しました。

「あんたが? お城の舞踏会に?」と馬鹿にしました。

「そのボロボロの服を見てみなさいよ!」

「お前は台所がお似合いだよ、お城じゃなくてね」

継母は冷たく言いました。

「誰かが家に残って掃除をしなきゃいけないんだ。

それはお前の役目だよ、シンデレラ。

さあ、お姉さんたちの支度を手伝って。

もうすぐ馬車が来るよ」

5. 庭での魔法

馬車は夜の闇へと走り去り、

シンデレラは一人ぼっちで残されました。

彼女は庭へ走っていき、ベンチに座り込むと、

涙が頬を伝って流れ落ちました。

「私も舞踏会に行きたい」

夜空の星にささやきました。

すると突然、空気がキラキラと輝き始めました!

温かい金色の光が庭いっぱいに広がりました。

一人の優しい女の人が目の前に現れました。

星のついた杖を持っています。

銀色の髪とキラキラした目をしていて、

お日様のように微笑んでいました。

「泣かないで、かわいい子」と女の人は言いました。

「私はあなたの妖精のおばあさん(フェアリー・ゴッドマザー)よ。

ずっとあなたのことを見守っていたの。

今夜、あなたの優しさが報われるときよ。

舞踏会に行きましょう!」

彼女は魔法の杖を高く掲げました。

「でも、着ていく服がないわ」

シンデレラは悲しそうに、自分の

つぎはぎだらけの色あせたドレスを見下ろして言いました。

妖精のおばあさんは笑いました。

それは鈴の音のような声でした。

「私に任せなさい!」

6. 魔法の変身 🎃

妖精のおばあさんが杖を振りました。

銀色のキラキラがシンデレラを包み込みました。

古いドレスは、空のような

柔らかい青色の絹のドレスに変わりました。

それは小さな銀の星々で輝き、

月明かりの中で踊っているようでした。

「さあ、次は足元ね」と妖精のおばあさんは言いました。

もう一度杖を振ると、

シンデレラの古びた靴は

純粋なガラスでできた繊細な靴に変わりました。

それはぴったりと足に合い、

庭の光の中でダイヤモンドのように輝きました。

「でも、どうやってお城まで行けばいいの?」

シンデレラは自分の目を疑いながら尋ねました。

妖精のおばあさんはカボチャを指さしました。

「ビビディ・バビディ・ブー!」彼女は歌いました。

カボチャはどんどん大きくなり、

金色の馬車になりました!

彼女は6匹のネズミを白い馬に変えました。

1匹のドブネズミは陽気な御者(ぎょしゃ)になりました。

6匹のトカゲは従者(じゅうしゃ)に変わり、

銀色の制服を着ていました。

すべてが魔法の粉で輝いていました。

シンデレラはこんなに素敵なものを見たことがありませんでした!

7. 真夜中の警告

「さあ、これで舞踏会へ行く準備はできたわ!」

妖精のおばあさんは誇らしげに言いました。

しかし、その顔が真剣になりました。

「私の警告をよく聞いてちょうだい。

この魔法は真夜中までしか続かないの。

時計が12時を打つ前に帰らなければいけませんよ!」

「時計が12時を鳴らし始めると、

すべてが元に戻ってしまうの。

ドレスはまたボロ布に、

馬車はカボチャに戻ってしまうわ。

真夜中になる前に帰ると約束して!」

妖精のおばあさんは心配そうに見つめました。

「約束します」とシンデレラは言い、

目は幸せで輝いていました。

「ありがとう、妖精のおばあさん!

これは今までもらった中で

一番素晴らしい贈り物です」

彼女は妖精のおばあさんを強く抱きしめました。

シンデレラは金色の馬車に乗り込みました。

白い馬たちは、彼女をお城へ運ぼうと

いななきながら足を鳴らしました。

馬車が走り出すと、妖精のおばあさんが

もう一度叫びました。

「忘れないで! 真夜中になる前にね!」

8. お城の舞踏会 💃

お城はシンデレラが想像していたよりも

ずっと美しい場所でした。

天井からはクリスタルのシャンデリアが下がり、

壁に虹色の光を投げていました。

音楽家たちは甘いメロディーを奏でていました。

紳士淑女が優雅に踊っていました。

シンデレラが舞踏室に入ると、

誰もが動きを止めました。

この謎めいた美しい人は誰だろう?

彼女は歩くというより、ふわりと浮かんでいるようでした。

ドレスは星明かりのように輝いていました。

姉たちでさえ、彼女だと気づきませんでした!

王子様は一晩中、次から次へと

女の子たちと踊って退屈していました。

しかし、シンデレラを見たとき、

彼の心臓はドキッとしました。

彼は舞踏室をまっすぐ横切って歩いていき、

彼女の前で深くお辞儀をしました。

「美しい方、私と踊っていただけませんか?」

王子様は手を差し出して尋ねました。

シンデレラはお辞儀をして、

その小さな手を彼の手の上に置きました。

二人が踊り始めると、それはまるで

雲の上を漂っているような気分でした。

9. 忘れられない夜 🌙

王子様はすべての曲をシンデレラと踊りました。

二人はワルツを踊り、フロアをくるくると回りました。

他の女の子たちは彼の気を引こうとしましたが、

彼はシンデレラしか見ていませんでした。

二人はまるでずっと昔からの知り合いだったかのように

語らい、笑い合いました。

「お名前は何というのですか?」と王子様は尋ねました。

しかしシンデレラが答える前に、

彼は続けました。「いや、関係ないさ。

僕は君に会うために

ずっと待っていたような気がするんだ。

君も同じ気持ちだと言ってほしい」

シンデレラの心は喜びでいっぱいで、

言葉が出ないほどでした。

生まれてから一度もこんなに幸せだったことはありません。

王子様は親切で、面白くて、優しい人でした。

彼女は家の辛いことをすべて忘れていました。

時間のことも忘れてしまっていました!

突然、お城の時計が鐘を打ち始めました。

ボーン! ボーン! ボーン!

シンデレラはハッとして息をのみました。

真夜中です! 魔法が解けてしまいます!

「ごめんなさい、行かなくちゃ!」彼女は叫びました。

彼女は王子様の腕から身を引きました。

10. ガラスの靴 👠

「待って! 行かないでくれ!」王子様は叫びました。

でもシンデレラはもう走っていました。

彼女は舞踏室を駆け抜け、

ガラスの靴が大理石の床でカツカツと鳴りました。

彼女が走り去ると、貴婦人たちは息をのみました。

王子様は彼女を追いかけました。

彼女は大きな階段を駆け下りました。

急いでいたので、片方のガラスの靴が

足から脱げてしまいました。

それはチリンと音を立てて階段を転がり落ちました。

でもシンデレラはそれを拾うために止まることはできませんでした。

時計はまだ鳴り響いています!

彼女は金色の馬車に飛び乗りました。

「急いで!」と御者に言いました。

馬たちは夜の闇へと駆け出しました。

背後で王子様が呼ぶ声が聞こえましたが、

時計が最後の鐘を打ちました。

ボーン! 真夜中が来てしまいました!

一瞬にして、すべてが元に戻りました。

馬車はまたカボチャになりました。

馬たちはネズミに戻りました。

シンデレラは道端で、

古くてボロボロのドレス姿に戻っていました。

ただ一つ、ガラスの靴だけが残っていました。

11. 捜索の始まり 🔍

翌朝、王国中が

謎の少女の噂で持ちきりになりました。

王子様は一睡もしていませんでした。

彼はガラスの靴を大事に抱えていました。

彼女を見つけるための唯一の手がかりです。

「必ず彼女を見つけ出す」彼は宣言しました。

「この靴が足にぴったり合う女性と結婚する」

王子様は王様に告げました。

王様は、息子がどれほど深く

恋に落ちたかを見て取りました。そこで、

国中を探すよう命令を出しました。

王子様と家来たちは

王国のすべての家を訪ねました。

貴族の娘も、商人の娘も、

パン屋の娘も、農家の娘も、

みんながガラスの靴を履いてみました。

でも、誰にも合いませんでした。

足が大きすぎたり、小さすぎたり。

幅が広すぎたり、狭すぎたり。

王子様は希望を失いかけていました。

あの美しい少女は夢だったのでしょうか?

しかし彼は諦めませんでした。

最後の家まで探し続けるつもりでした。

12. ぴったり! 💖

ついに、彼らはシンデレラの家に着きました。

姉たちは首を長くして待っていました。

彼女たちは、王子様が自分たちのどちらかに

恋をするに違いないと思っていました。

「いらっしゃったわ! いらっしゃったわ!」と叫び、

お互いを押しのけ合いました。

一番上の姉が靴をひったくりました。

彼女は押し込んだり、詰め込んだりしましたが、

足が大きすぎました。

「靴が縮んだに違いないわ!」彼女は泣きわめきました。

二番目の姉がそれを奪い取りました。

彼女もあらゆる手を使いましたが、やはりだめでした。

「他に若い女性はいませんか?」

王子様の家来は疲れ切って尋ねました。

「シンデレラだけですわ」と継母は鼻で笑いました。

「でもあの子はただの召使いです。

舞踏会にさえ行っていませんのよ」

姉たちは意地悪く笑いました。

「王子様の命令は絶対です」

と家来はきっぱりと言いました。

「すべての若い女性が試さなければなりません」

シンデレラは静かに部屋に入ってきました。

継母と姉たちは驚いて息をのみました。

王子様の前に出てくるなんて、なんと図々しい!

13. 夢が叶うとき 🏰

シンデレラはそっと座り、足を差し出しました。

家来がガラスの靴を滑り込ませました。

それはぴったりでした! まるで彼女のために作られたかのように!

もちろん、その通りだったのです。

部屋中の人々が静まり返り、

驚きのあまり見つめるばかりでした。

その時、シンデレラはポケットに手を入れました。

彼女はもう片方のガラスの靴を取り出し、

もう片方の足に履きました。

継母の顔は真っ青になりました。

姉たちは口をあんぐりと開けました。

本当にそんなことがあるのでしょうか?

王子様はシンデレラの目を見つめました。

質素な服を着ていても、

彼は一緒に踊った少女だと分かりました。

「君だったんだね!」彼は嬉しそうに叫びました。

「見つかると信じていたよ!」

彼は彼女の手を取りました。

「僕と結婚してくれますか?」と王子様は言いました。

「初めて踊ったときから、君を愛しています」

シンデレラの目は嬉し涙でいっぱいになりました。

「はい!」彼女はお日様よりも

明るく微笑んで言いました。「あなたの妻になれるなんて、

これ以上の幸せはありません」

14. いつまでも幸せに 👑

継母と姉たちは、シンデレラの復讐を恐れて

震えていました。

あれほどひどいことをしたのだから、

きっと罰せられると思ったのです。

しかし、シンデレラの優しい心は

運命が変わっても変わりませんでした。

「あなたたちを許します」とシンデレラは優しく言いました。

「私たちは変わらず家族ですもの。

これからは心を入れ替えて、

本当の姉妹として仲良くしましょう」

彼女の優しさは二人の冷たい心を溶かし、

彼女たちは恥ずかしさと感謝で涙を流しました。

王室の結婚式は素晴らしいものでした。

国中がお祝いに駆けつけました。

シンデレラは雪のようにきらめく長い裾(すそ)のついた、

純白の絹のドレスを着ていました。

王子様は、ただひとりの愛する人と結婚し、

笑顔が止まりませんでした。

プリンセスとなったシンデレラは、みんなに愛されました。

彼女は貧しい人を助け、病気の人を見舞いました。

彼女と王子様はたくさんの子供に恵まれ、

子供たちは優しく良い子に育ちました。

そして二人は、本当にいつまでも

幸せに暮らしました。